2014.09.25
コーキングの劣化 ~厚み不足~
とあるお宅の外装の劣化診断をしました。
築16年で壁材はプレキャストコンクリートでした。
建物の劣化を見ていくうちに気になる箇所がありました。
それはコーキングの劣化が進行していること。
コーキングの上に塗装がしてある場合はコーキングの上の塗膜が
ひび割れているけどその下のコーキングはひび割れていない
ことがよくあります。
この家の場合は塗膜の下のコーキングがぱっくり割れていました。
なぜここまでコーキングの割れが発生しているのだろう?
そう思うには理由がありました。
まず一つがコーキングの上に吹き付けがしてあり、コーキングが直接紫外線の
影響を受けることがない状態。
次に建物を建てた時が阪神・淡路大震災の後ということで
耐震性に気を遣い建物の杭打ち、基礎部分にはお金をかけて建てられたと聞いていたこと。
それらを踏まえまして、もしや!と思うことがありました。
それはコーキングの厚み不足です。
厚みを確認したところ2,3㎜程度しかコーキングの厚みがありませんでした。
コーキングの厚さは本来10㎜必要になります。
しかしこの場合はバックアップ材がパンパンに入れられており
コーキングの厚みが確保されていませんでした。
壁材がプレキャストコンクリートの場合、防水面はコーキング頼りになり
コーキングの劣化からの雨漏りが多々あります。
現にこの御宅でも以前に雨漏りをしたことがあるそうです。
↑コーキングで目地が補修してありました。
この厚み不足を改善するためには既存のコーキングを撤去して
バックアップ材を取りだします。そして適正な大きさのバックアップ材に
詰め替えてからコーキングを施す必要があります。
これをコーキングの劣化の原因を理解せずに
金額の安い増し打ち(既存のコーキングの上にコーキングを被せる)で
行ったりしたらひび割れの原因の根本的解決になりません。
私達がいつも塗装前の診断が大事と口うるさく言うのは
劣化の原因がしっかりと分かっていなければ安物買いの銭失いになってしまうということです。
そして皆さんに間違いのない工事を提供するためにも日々専門性を磨いていきます!(^^)!
おもしろきこともなき世を おもしろく