2014.07.19
窯業系サイディングの劣化
今回は窯業系サイディングについて。
現在の住宅用外装材の7割がこの壁材です。
当然ながら住宅の塗り替えの現地調査で一番目にするのが窯業系サイディングです。
その中でサイディングボードに割れ、反りなどが発生しやすい物、施工方法があります。
其の1 厚みが薄い
平成20年まではサイディングボードの厚みが12mmの使用がOKでした。
しかしJISの改正で現在では最低でも14mmに決められています。
厚さが薄いと建物が動いた時、力の影響を受けやすい釘廻り、開口部廻りが割れやすいです。
サイディングの厚みが12mmと16mmを比べると劣化の差は歴然です。
12mmは反りがでやすく、ひび割れが発生しやすいです。
其の二 直張り工法
直張りとは下地と壁材の間に胴縁が入っておらず、下地に壁材がピタッと張ってあることです。
2000年4月以降の品確法の標準施工では直張りではなく、胴縁を設けて通気層を確保する通気工法
を推奨しています。ただ罰則がないため、それ以降でも直張り施工の家をよく見ます。
直張りですと通気層がないので、内部結露をしやすくなってしまいます。
そのことが壁材の反りや凍害に繋がります。
また直張りの場合、塗装をした時に塗膜の膨れなどが起きる場合があるので注意が必要です。
特に日差しがよく当たる南面に起きます。
塗り替えをする時は塗料の選定、そして選ぶ色が重要になります。
其の三 釘留め施工
サイディングの留め方には釘留め工法と金具固定工法の2つがあります。
サイディングの留め方が釘留めの場合、先程にも書いたように釘廻りに割れが発生しやすいです。
そしてサイディングは湿乾伸縮をするので釘が徐々に押し出されてきます。
反りは金具固定でも発生しますが、釘留めに比べたら軽度の場合が多いです。
金具固定の反りは下地、間柱から起因する場合があります。
其の4 横張り
サイディングボードの横張りは反りがでやすいです。
横張りの場合の多くが、幅455mmのサイディングを張っていきます。
メーカーは縦張りと横張りに性能差は無いと言っていますが、幅455mmの横張りのほうが
反りが出やすく目立ちます。
このへんはサイディングの厚み次第でカバーできることではあるのですが。
幾つものサイディングの劣化を見てきましたが、これらの4つが重なっている
サイディングの劣化は悲惨な状態になってしまっていることがよくあります。
サイディングを張るなら厚みにこだわったほうがいいです。
最低でも16mm以上にしたほうが良いです。
年数が経てば差がはっきりでます。
ダイワハウス等の一部のハウスメーカーの壁材は劣化が少ないです。
この辺りは流石って感じですね。
そのかわり目地のメーター数が半端じゃないので
メンテナンスにはお金がかかりますが、、、。(泣)
おもしろきこともなき世をおもしろく