2023.03.20
床下の漏水調査
こんにちは、工事管理課の末廣です。
今回は床下の漏水調査を行った現場をご紹介します。
こちらの現場では、洗面脱衣場の床で漏水によるシミがありましたので、原因を調査するために床を捲りました。
元々の状況はこんな感じです。
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シミの原因としては、洗面台の配管からの漏水、隣の浴室やトイレからの漏水が想定されました。
洗面台を取り外してから床を捲ってみると・・・
隣の浴室から漏水していることが確認され、その箇所の止水処理を行いました。
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これで解決かと思っていたのですが、その後も漏水している様子が見られたので、他にも原因が無いか再調査を行いました。
隣のトイレの床も捲ってトイレの配管からの漏水も調査しましたが、特に異常は無し。「う~ん、一体どこが原因なのか?」と悩んでいたところ、お施主様から「この家に住み始めた時に、1回だけトイレの天井から雨漏りしたことがある」と聞きました。
「もしかして?」と思い、トイレの上の2階の部屋の窓を調査してみると・・・
窓の枠と枠の取り合いに雨が当たると室内に雨漏りすることが分かりました。
※下の写真の赤線のラインに雨が当たると雨漏りすることが確認されました。
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つまり、「2階の部屋の窓枠から雨が浸入→その下の1階のトイレの天井へ雨漏り→天井から壁の柱を伝って洗面脱衣場の床へ漏水」というのが原因でした。
天井や壁には雨シミなどがなかったので、まさか雨漏りだとは思わず、床下の配管などからの漏水と最初に思い込んでしまっていたのが反省です。
この原因である窓の枠と枠の取り合いにはコーキングを充填して止水処理を行い、無事に雨漏りは止まりました。
雨漏り診断士の心構えの一つとして「一切の先入観を捨てなさい」ということがあります。
これは例えば「雨漏りだと思っていたら、実は結露だった」ということなどが当てはまるのですが、今回のケースは「床下の配管などからの漏水と思っていたら、実は上の部屋からの雨漏りだった」と逆のケースでした。
思い込みや先入観にとらわれないことを痛感した現場でした。
~今できることを考えてベストを尽くす~
末廣 高雅