2018.01.18
屋根の塗り替えをする前に知っておきたいポイント 〜見積もり編〜
前回、塗料編において屋根塗料の役割と、用途別に塗料の効果と適正についてお話ししました。
その他にお客様が屋根の塗り替えをする際に気になる事で多いのは、「いくらぐらいかかるのか?」という見積もりに関してだと思います。
そこで、今回は屋根の塗り替えに使用される塗料とその見積もりについてお話しします。
1.ウレタン塗料
ウレタン塗料はウレタン系樹脂から成る塗料で、滑らかに薄く伸びやすく非常に塗りやすいのが特徴です。
光沢がある見た目をしており、高級な仕上がりになるのも利点の一つです。低価格で耐久性、機能性も優れていることから、一昔前まで最も主流な塗料でした。
また、滑らかな液状であることから、細部の塗装にも適応するので、複雑な形をした屋根であればこの塗料は最適です。
耐水性も高いため、雨がたまりやすい形状の陸屋根にもおすすめです。
このウレタン塗料の耐久年数は約8年~11年程度と比較的長めですが、汚れが付きやすく紫外線への抵抗力も低いことがデメリットといわれています。
耐久していたとしても変色や汚れにより見た目がかなり劣化して見えるため、塗装する場所が限られてしまいます。
施工費は一軒家30坪あたり約50~80万です。
2.シリコン塗料
シリコン塗料はシリコン樹脂が主成分の塗料であり、耐久年数が長いことが特徴です。
ウレタン塗料に比べると耐久年数が約3~5年も長いので、維持費を節約することができます。
また、耐熱性にも優れており、約600度にも耐えることができるため直射日光が当たり続ける陸屋根には最適の塗料です。ウレタン塗料と違い、シリコン塗料は汚れが付きにくく、きれいな状態を持続させることができます。
ただ、シリコン系ですので、粘着力はほかの塗料と比べて少し劣り、塗装がはがれてしまうこともあるため下地が木製の部分には適しません。施工費も30坪あたり約60~90万円とウレタン塗料に比べ高価です。
3.フッ素塗料
この塗料は、蛍石と呼ばれる天然石の原料でもあるフッ素カルシウムが主成分の塗料で、外壁塗装の中でかなり高価な塗料として知られています。かなり耐久性に優れているもののあまりにも高額なため高層ビルや、橋の塗装に使用されることが多かったのですが、最近では壁を長くきれいに維持したいという声も増えてきており、一般住宅の壁にも採用されるようになってきました。
この塗料の大きな特徴は耐候性に優れていることです。耐候性とは、塗料が屋外で使用される際に変形したり変色したりしにくい性質のことを言います。つまりフッ素塗料は見た目も美しく、長期的に外壁の状態を保つことが出来るのです。
また、防菌、防水性に優れ、親水性も高いことから汚れが付きにくい仕様になります。親水性とは水になじみやすい性質のことで、この性質により雨が降ると塗料と付着した汚れとの間に水が入り込み層を形成するため、汚れが落ちやすくなります。
雨の力を利用して壁の掃除ができるというわけです。防水性も高いため、下地に水が入り込み劣化してしまうことはありません。耐熱・耐寒性にも長けており、260度の高温からマイナス100度の低温まで対応することができるのです。
かなりメリットだらけの塗料のように思えますが、気をつけておかなければならないこともあります。このフッ素塗料の耐久年数は約20年と言われていますが、下地の劣化を止めることができるわけではありません。
耐久年数10年の下地の上にこの塗料を塗ったとしても、下地が先に劣化してしまえば補修が必要になります。
この塗料はあくまで外側の熱や汚れ、水から壁を守る物ですので、利用する際は塗りたい場所の下地がどれだけ耐久するのかを見極めておかなければなりません。
施工費は30坪あたり約70~110万とかなり高額です。
4.光触媒塗料
光触媒塗料とは光に反応して作用する光触媒の働きを利用した塗料です。光触媒は暑さの原因である赤外線を反射するため一般的な住宅と比べ、平均3度ほど涼しく室内を保つことができます。また、日光に反応して空気を清浄したり、有害物質を除去したりする作用があるため、環境対策ができることで人気が高まってきています。
フッ素塗料と同じく親水性に優れており、それと併せて油汚れ等の有機物を分解する作用もあるため、かなり汚れが付きにくく、長期にわたり美しい外観を保つことが出来ます。この光触媒塗料もフッ素塗料と同じく耐久年数は約20年ほどです。
一方で、光が当たらない場所で光触媒は作用しないため、日陰になる場所に使用してしまうと、先程ご紹介した効果は見込めません。建物の立地条件をよく確認した上で、最大限に効果が発揮される場所を選び使用する必要があります。
またフッ素塗料と同じくかなり高価な塗料であり、施工費は30坪につき約90~140万といわれています。
下地の耐久年数数の短い下地に塗装してしまった場合、20年もつとは限らないので塗りたい場所の見極めも重要なポイントです。
5.アクリル塗料
アクリル塗料とはアクリル樹脂が主成分の塗料で、現在あまり使われなくなりましたが、古くから利用されてきた塗料です。耐久性は低く、5~8年ほどといわれています。
この塗料はひび割れしやすいものの、艶があり、色彩がはっきりしていることから頻繁に違う色に塗り替えたいという方には好まれます。また、非常に安価なため木製の下地など変形しやすいものの塗装に使われることが多いです。
今回は、特に陸屋根によく使われている5種類の塗料についてお話ししました。どの塗料も特徴があり、料金だけで一概に善し悪しを判断する事はできません。
長く塗り立ての状態を維持したい方は、光触媒やフッ素と量が最適ですが、頻繁に壁の色を変えたいと思う方は耐久年数が長くない塗料でも十分かと思います。ただ、長い耐久年数の塗料にこだわるのであれば、下地の耐久年数を把握し、耐久年数とマッチした塗料を選ぶようにしましょう。
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