2017.10.20
何を塗ればいいの?5分でわかる屋根塗り替えの塗料の種類【前編】
こんにちは!
同じ家に長年住んでいると、外出から帰宅する際にふと自宅を見て、「屋根のひび割れやカビの発生が気になってきたなあ」と思われる方も多いのではないでしょうか。
「屋根塗装したほうがいいのかな」「何年経ったら、塗り替えるべきなんだろう」なんて思いますよね。
特に最近では外壁塗装のついでに屋根塗装も一緒に行おうかとお考えの方も多いようです。
しかし、塗り替えが必要なのは分かっても塗料の種類はかなり多くどれを選ぶべきか分からない!という方も多いでしょう。
そこで今回から2回に分けて、外壁塗装塗料の種類と各々の特徴について見ていきたいと思います。
今回は、塗料を選ぶ際のポイントと、屋根塗装でよく使われる3種の基本塗料、アクリル系・ウレタン系・シリコン系についてお話しますね。
■塗料を選ぶ際に確認すべきポイントって?
屋根塗装を行う際、数多くある種類の中から適切なものを選ぶ必要があります。
では、塗料はどのような点に注目してみていけばよいのでしょうか?
基本的には大きく4点です。
・価格
なんといっても気になる方が多いのが価格でしょう。
塗料のグレードとコストは大抵が比例しています。高い塗料は塗装の持ちが良いものが多いですが、安い塗料はあまり持ちが良いくないこともあります。
・耐久性
次に大事だと言えるのが耐久性です。
屋根塗装は一般的に10年に1回行えばよいと言われていますが、塗料によって耐久年数が異なります。
耐久年数はある程度価格にも比例するので注意して確認しておきましょう。
・機能性
塗料の種類によって、持っている機能や効果も異なります。
塗料によっては汚れが落ちやすいものや遮熱効果を持つもの、建物の耐久性を上げるものなど。種類によって効果は様々です。
・含有率
「セラミック塗料でこの価格!」などの言葉に惑わされてはいけません。大切なのはセラミック成分がどれぐらい配合されているかの含有率であり、シリコン塗料ならシリコン含有量です。少々成分を混ぜただけの塗料でも、セラミック塗料やシリコン塗料と言っている業者があるので、要注意です。
■とにかく安く済ませたい!そんな時はアクリル系塗料!
全ての種類の中で最も値段が安いのがこのアクリル系塗料です。
アクリル系合成樹脂を主成分とする塗料全般を指し、耐久年数は約4~6年と言われており、耐久性は低いと言えます。
その代わり、価格はかなり安くとにかく安く済ませたい方にはぴったりの塗料です。
また、発色が良く重ね塗りなど施工性に優れており、高温でも変色しにくい、独特のツヤ感と滑らかさを持つなど、デザイン性を重視したい場合にぴったりの塗料と言えます。
他の塗料と比較すると、透湿性が高く湿度が停滞しやすい軒天井などには向いているとされています。
しかし、屋根は日光や雨などに晒されるため外壁よりもダメージを受けやすいので基本的には屋根塗料には適さない種類だと言われているのも実際のところです。
アクリル塗料は価格の安さが最大のメリットですが、耐久年数が短い場合には塗り替えのコストまで考慮して用途に合った選択をする必要があると言えます。
■小さな範囲も補修しやすい!ウレタン系塗料
ウレタン系塗料とは、ウレタン系樹脂を主成分とする塗料全般のことを指します。
このタイプの塗料は塗膜が柔らかく密着性に優れているため、塗装の剥がれが気になる部分によく使われます。
耐久年数は6~11年で、価格、耐久性、機能性のバランスが最も良いことから万能塗料と呼ばれ、一昔前までは主流の塗料として扱われていました。
さらに、下地とうまく組み合わせることで細部の塗装にも適するため、現在でも木目や塩化ビニール製の雨樋などの細かな箇所の塗装に使用されることも多いです。
加えて、耐候性、耐水性、耐薬性にも優れる塗料ですので人気があります。
これを聞くと、万能そうに思えるウレタン系塗料ですが、防汚性や紫外線への抵抗力は他の塗料に比べ劣り、光沢のある仕上がりが変色しやすいといった短所もあります。
また、ウレタン系塗料は硬化剤を混ぜて使われることが多く、硬化剤の量が多いほど網目構造の密度が高まり塗膜の性能が向上します。
塗料と硬化剤の比率は様々ですが、現在主流とされているのは、主剤対硬化剤が10:1の速乾ウレタンです。
速乾ウレタンは作業効率がよく小さな範囲も補修しやすい、まさに万能塗料と言えるでしょう。
■コスパ抜群!!シリコン塗料!
最も高いグレードの塗料はフッ素系塗料だと言われていますが、次点で高いグレードを誇るのがシリコン塗料です。
シリコン系塗料の耐久年数は10〜13年と比較的長く、現在の屋根塗料の中で最高のコストパフォーマンスを実現しています。
シリコン塗料は愛用者が多く、フッ素系塗料よりも流通しているという点で手に入れやすい塗料としても有名です。
また、シリコン塗料は雨や泥を弾くコーティングを行うこともでき、長期に渡って美しさを保つことが出来ます。
アクリル系塗料やウレタン系塗料に比べれば少し値が張る印象ですが、塗り替えなどを考慮すれば、機能面、耐久面においてやはり最もコストパフォーマンスが高い塗料と言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
塗料によっても価格・耐久年数・効果が大きく異なることがお分かりいただけたと思います。
今回紹介した基本塗料はグレードが下の方の塗料です。
次回の記事では、グレードがより上の段階である、フッ素系塗料、遮熱塗料、光触媒塗料についてご紹介いたします。
それぞれの特徴をしっかり把握して、自身のお住まい・予算に適した屋根塗装を実現しましょう!