2016.01.10
遮熱と断熱の違い〜遮熱とは〜
「熱を遮る」と書く遮熱と、「熱を断つ」と書く断熱。
どちらも熱を抑えるという意味では同じですが、どの熱を抑えるのかという点で違いがあります。
遮熱が抑える熱は放射(輻射)熱と呼ばれるもので、主に太陽から発せられる赤外線などによって物体に発生する熱のことを言います。
冬の寒い日でも太陽の光を浴びると暖かく感じるのは、この放射熱によるものです。
冬場なら暖かくていいのですが、夏場は住環境を悪くする原因の1つになり、夏場の屋根などは表面温度が最高で約80℃にもなると言われています。
しかし、放射熱を発生させる赤外線などの電磁波は空気がなくても伝わるため、直射日光が当たる部分の熱を、断熱材によって抑えるのは困難でした。
そこで考え出されたのが赤外線を反射する遮熱という工法です。
屋根などを赤外線を反射させる機能を持った素材で覆うことによって、熱の発生が抑えられ、室内の温度が上がらないようになります。
夏に窓の外によしずをかけたりするのも遮熱の一種と考えることができ、太陽光によって窓が熱を持ち、その熱が室内へ流れ込んでこないようにするという効果があります。